伝わるように話すコツ
相手に伝わるように話すことはとても難しいものです。そこでスピーチを成功させるために考えておくべきことをまとめてみました。相手に伝わるスピーチのコツは次の四つに集約されるのではないでしょうか。
⑴聴衆を知る
聴衆はどのような人たちなのか。
○誰(WHO)
○何故(WHY)出席しているのか
○何(WHAT)に興味があるのか
について具体的に考えてみましょう。
出席者は皆自分のことを知っている人たちなのか、全く知らない人たちなのか。それによって構成も変わってきます。特定の人たちにとってのNGワードはあるのか。
そして、どうしてスピーチを聞きに来るのか。自主的なのか強制されたものか。また、何を期待しているのか。話す内容に興味があるのか。それとも後援者や参加者とのネットワーク作りが目的なのか。
聴衆の考えていることに想いを馳せることができれば、話すべき内容も定まってきます。
⑵スピーチを構成する
聴衆の期待から話すべき内容を決めたら、アウトラインを作ります。文章を書く場合とは違って、見出しや小見出しにあまり気を使う必要はありませんが、「前置き」「本論」「結論」を考える必要があります。
①前置き
前置きでは、自己紹介が必要です(参加者が皆自分を知っている状態であれば省略する)。その次にできれば"つかみ"があると良いですね。ちょっとしたジョークやエピソードで場を和ませることができれば、聴衆が聞くための準備が整います。
そして、このスピーチが何故重要なのかを話した上で、スピーチのロードマップを説明します。
②本論
論理が明確に展開されることが必要です。そのためには明確な論理構成は重要ですがそれだけではなかなか説得できないこともあるでしょう。相手の説得を促すもう一つのエンジンは「感情」です。相手の感情を動かすためには、生々しい事例が必要です。また、身振り手振りや声のトーン、大事なことを言う前の"ため"などの話し方も重要です。話し方はテクニックとしてはいろいろあると思いますが、なによりも話し手の想いを伝える、と言う態度が相手の心に訴えるコツと言えるでしょう。
③結論
結論では覚えて欲しい要点を述べる必要があります。聞き手に何かしらの感情を抱かせ、行動しようと思わせることができたら大成功です。
そして、最後に主催者や聴衆に謝辞を述べて締めくくりましょう。
⑶リハーサルを行う
できればスピーチ前にリハーサルができると良いです。リハーサルの役割は単に話すことに慣れるだけではありません。話しながら、話す順番や話すべきポイントなど作成時には気づかなかったことに気づけることがあります。したがってスピーチの構成の仕上げの役割もあるのです。
⑷スピーチの原稿
スピーチ用の原稿は全てのセリフを書くのはやめた方がよいと思います。その場の雰囲気や前後のスピーカーの演題など当日のその場の状況を見て、話すトーンを考えるとか、つかみのトークを考える、というような微調整をすることもあるでしょう。しかし全てのセリフを原稿に書いておくと、アドリブが考えられなくなったり、原稿を棒読みになったりします。伝わるように話すには、聴衆の顔を見て話すことが重要です。セリフを書いたり覚えたりするのではなく、ポイントだけを書き出したメモが一番効果的であると思います。
伝わるように話すことは、とても難しいものです。しかし経験が自信につながる分野でもありますので、チャレンジあるのみですね。