目標達成hack

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失敗は成功のもと

脳の活動は電気信号のやり取りであり、神経回路が電気信号を通す役割を負っています。そして、この神経回路は成功の回路と失敗の回路があります。失敗の回路が少なく、出来るだけ成功の回路が脳の中にある状態にしていけば、選択肢が成功回路が多くなるため、判断が早くなり、いわゆる頭の回転が良い、と言われるようになります。そのために、失敗とどう向き合っていくのかは、とても大切なテーマになります。そんな脳と失敗のメカニズムを書きたいと思います。


⑴「失敗は成功のもと」とはどういうことか

脳は体験によって進化します。成功すれば、成功に使われた神経回路に電気信号が流れやすくなります。特にさまざまな成功に共通する本質的な回路は使われる回数が多いため、優先順位が高くなります。これが物事の本質を見抜く洞察力の源になるのです。一流と呼ばれる人たちが持つ力です。この本質的な回路を作るには、何度もその神経回路に電気信号を流す必要があるのですが、そのために大事なことが2つあります。成功体験を積み上げることに加え、失敗の体験をもとに不要な回路を切り捨てることです。どのような失敗も不要な回路を特定するためのインプットになります。失敗の数が多いほど、あるいは失敗の深刻さが深刻なほど、脳は研ぎ澄まされていくのです。

これが「失敗は成功のもと」と言われる科学的な解釈です。単に経験値を積むことを良しとしている格言ではないのです。ちゃんと科学的な裏付けを持っています。脳が進化するためには成功と失敗が必要なのです。だからこそ、失敗を恐れてはいけないのですよ。


⑵失敗から逃げてはいけない

周りからは能力が高いと思われていても、本人からは「まだまだです」というセリフがよく出てくる人がいますよね。この「まだまだ(できないことがある)」というのは、一見謙虚に見えますが、実は「自分は完璧であるべきだ」という気持ちの表れなんです。誤解を恐れずにいうと、謙虚ではなく傲慢です。まだまだ、というときは先に失敗した時の言い訳を言っているにすぎません。本当に出来る人は、できないことは素直に認めているものです。だから「まだまだ」とは決して騒ぎません。これは出来る、これはできない、それが自分だ、と認識しているのです。そもそも失敗は脳の進化に必要なものだと理解できれば、先に言い訳を言うことなんか意味がないこともわかるでしょう。だから「まだまだ(できないことがある)」とは口にしてはいけないのですよ。


⑶失敗は誰かのせいにしてはいけない

失敗した時に、決して他人のせいにしてはいけません。その失敗が仮に100%他の人の責任で起こったことが明白であっても、その失敗を防げなかった自分を反省するのです。

これは、精神論ではありません。自分の脳に失敗であることを知らせるためなんです。他人のせいにしてしまうと、脳は失敗に気付きません。気付かなければ、神経回路の更新も行われません。これはもったいないことだと思いませんか。

失敗があったときに、周りの人の不注意などを指摘することよりも、自分でやっていればよかった、と思えることを探しましょう。もちろん、部下の指導などで教えてあげる時もあるでしょう。しかしあくまでも指導であることを忘れてはいけません。同じ失敗を繰り返さないように、その部下の神経回路を進化させる手伝いをしてあげるスタンスで臨まなければなりません。決して失敗したこと自体を批判するような考えを持ってはいけません。批判からは何も生まれませんので、全く建設的ではないのです。


⑷失敗をくよくよ考えてはいけない

失敗を繰り返さないためには、一度は反省したり、どうしたらよかったかを考える時間を持つことは必要でしょう。しかし、それをくよくよ思い返してはいけません。くよくよ思い返すと言うことは、その度に神経回路に電気信号が流れることになり、脳が失敗の神経回路を切り離そうとしても、何度も電気信号を通そうとすることで復活してしまいます。だから同じ失敗を繰り返すことになってしまうのです。

馬術競技では、馬が障害を飛べないとそこで競技が終了します。でも失敗してももう一度同じ障害を飛ばせるそうです。失敗のまま終わってしまうと、馬がその障害を二度と飛べなくなってしまうことがあるからだそうです。人間の脳も同じで、失敗がずっと残ると同じ失敗を繰り返してしまうことになってしまいます。

だから負け癖を作らないことはとても大事なことです。


⑸未来の失敗を恐れてはいけない

何かを行う前にあれこれ考得ることがあると思いますが、失敗しすることをいくつも思い浮かべることはやめた方が良いです。これも失敗する回路に電気信号を流すことになってしまうので、失敗しないようにと考えたことを実際にやってしまうことになるのです。反対されそうだな、と思って説明すると反対される。初対面の人に対して名前を間違えないようにしようと思うと間違えてしまう。人の名前なんて間違えやすい名前をあれこれ考えて、気をつけようと思うよりも、本人の名前を何度も暗唱する方がよっぽど間違えない、とアナウンサーも言っています。


⑹失敗を回避すると人生が他人事になる

幼少期に「いい子」になるようにあやがあれこれと世話を焼いた子供は、失敗しないように育てられることになりますよねそうすると失敗を恐れるようになってしまい、失敗から要領よく逃げるようになってしまいます。そのため空気を読んで気を使ってそつなく動くようになります。

この状態はとても危険なのです。いつも他人から見た自分を気にしてしまい、常に他人から後ろ指を指されることを恐れるようになってしまいます。その結果、自分らしさがなくなってしまいます。自分の人生を生きられないから、人生が他人事になります。好奇心も集中力も忍耐力もなくなります。自ら何かを考えることができなくなってしまいます。


⑺失敗は買ってでもしろ

失敗は買ってでもしろ、という格言もありますが、苦しくても痛い思いをした脳だけが、何が有効で何がいらないのか、どんなことに自分は満足し、どんなことが自分にとって嫌なことなのか、ということがわかるのです。その経験を経て、切り捨てるべき回路と大事にする回路を判別できるようになるのです。