文章を書くコツ
文章を書くときには、計画・著述・推敲の三つの段階があります。この三つは脳の同じ場所を使うことが知られています。つまり、一つの資源を奪い合う関係と言えます。それ故に計画しながら書くことはとても難しいのです。
従って、文章を書くコツとは、一つの資源では一つのことしか行わない、という原則を持つことです。もう少し具体的に言いますと、計画、著述、推敲の順番で進めることが重要なのです。
以降は仕事で使うための文章作成のコツを記載します。小説の執筆などは違う要素も必要だとは思います。
1.計画
計画とはすなわちアウトラインを作ることです。そのためには以下のような手順で進めると良いのではないでしょうか。
①ブレスト
書くべきテーマに関連する項目をできるだけたくさん書き出す。順番や関係性などはあまり考えず、出し切ることが重要。
②分類
出されたアイデアをカテゴリー別に分類する。カテゴリー分けでは、できるだけ粒を揃えることを考える。グループ分けを行いながら、どのレベルで揃えるかを考える。
③アウトライン
グループを論理的な順番に並べる。そして、前書きと結論をつけてアウトラインがだいたい形になる。
2.著述
⑴前書き
前書きは文章の中ではとても大事な役割を持ちます。企業の中では、階級が上がれば上がるほど、一案件にかける時間が少なくなります。文章による報告などは、前書きしか読まれないことも多々あるでしょう。前書きで課題認識をしっかり伝えることができなければ、その先を読んでもらえる可能性はとても下がります。
以下、前書きを書くコツです。
①背景を伝える
どうしてこの文章を書いているのかを理解してもらうため、背景となる事実を明らかにします。誰がどのような課題認識をしているのか、誰に何を提案するものなのか、などを書きます。
②テーマを示す
当該の文章のテーマを要約し、議論のための核心となる主張を伝えます。①②で完結しても良いような説明になっていることが理想です。
③構成を見せる
最後に文章全体の構成を見せることで、読み手の理解や興味、あるいは許させる時間に合わせて、読むべき場所を考える手助けとなる情報を提示しておきます。
⑵結論
最後に結論として、全体の主張を改めてまとめて提示します。このときに気をつけることは、単なる繰り返しになってはいけません。要点が伝わることがポイントです。
⑶本文
前書きと結論だけで言いたいことは言えている、という構成が理想的です。そして全体の主張を裏付けるデータや考え方などの詳細な説明が前書きと結論の間に展開される、という構成が読み手にとって読みやすい文章になります。
3.推敲
文章が読みやすいものになっているか確認する、あるいは書き間違えや誤字脱字のチェックを行います。主なポイントは以下3点です。
○簡潔な文章になっているか
○代名詞や接続詞などの関係性が明確か
○誤字脱字などがないか
文章を書いた後すぐには冷静に見直すことができないことも多いため、日を置いてチェックする方が考えやすいと思います。
文章はうまく書くよりも伝わるように書くことが重要です。伝えるための文章の構成について上記の通りまとめてみました。構成と並行して文章そのものの書き方も重要なポイントになりますがそれはまた別のエントリーで書きたいと思います。