問題解決のプロセス
何かしらの問題に直面し、それを解決しなければならないときには、何を考えますか?
考え方のコツを知らないと何を考えるかを考えるだけでもとても時間がかかってしまい、挙句にはどうにも解決への道筋が見えなくて途方にくれる、なんて事にもなりかねません。
今回は、問題解決のコツの話をしたいと思います。
問題解決には一連の"型"があります。
全てのパターンがこれに当てはまるわけではありませんが、流れとしては大きく逸れることはなく、汎用的なものではないかと思います。それは以下のような考え方の流れです。
①問題設定とイシューを決める
②課題を整理して構造化する
③現場の情報をリサーチする
④解決策の仮説を立てる
⑤仮説を検証する
⑥解決策を決める
⑦解決策を実行する
以下、少し説明を加えます。
①問題設定とイシューを決める
まず、何を考えるのかを明確にします。どのような事を課題だと考えていて、どうしたいのか。を具体的に書き出して見ましょう。あとで何を考えているのかわからなくなるという事も往々にしてありますので、書き出しておく事がポイントです。
②課題を整理して構造化する
真の問題がどこにあるのか、を特定するために仮説を考えながらノートに問題と考えられる事を書き出して行きます。その際に重要なポイントは、アウトプットを意識するとともに問題を一部分だけではなく全体で捉えるためにストーリーラインで考える事です。これを考えるために、以下のフレームワークが有効です。
○Where 問題の在り処
○Why 原因
○How 対策
上記の思考をもとに仮説を導きだします。その仮説をもとに解決策までのストーリーを組み立ててみます。この段階では仮説が間違っていても構いません。ストーリーを作ってから検証した方がゴールを見据えて考えられるため仮説検証の精度が高まる効果が期待できます。
③現場の情報をリサーチする
仮説を持って現場でヒアリングを行い検証します。事前に質問リストを作成しておいて、仮説が深まるように準備する事が有効です。心理学では「認知的不協和」と言うそうですが、人は本当はこれをやらないといけないのにできていない、という矛盾した状況があると、その状況を早く解消したくなり、本質的な解決とズレていてもすぐに思いつく対策に走ってしまいます。そのために仮説を検証するために必要な質問を事前に用意することはとても重要なポイントになります。
④解決策の仮説を立てる
現場から得た情報を整理します。ポイントは違う情報を混在させない事です。従って情報の仕分けが必要です。その際にもフレームワークが活躍します。以下のフレームワークはマッキンゼーのコンサルタントの間では共通のスキルとなっている代表的なものです。
○空(事実)
○雨(解釈)
○傘(行動)
情報が整理できれば、そこから仮説が立ち上がってきます。
⑤仮説を検証する
問題解決に向けてはWhere,Why,How が矛盾なくつながることが肝心です。仮説を改めて書き出して見て、ストーリーが無理なく繋がっている事を確認します。
仮説のストーリーを確認するにはサマリーを作る事が有効です。サマリーをいきなり作るのは戸惑う方もいるかもせれませんが、ワンチャートワンメッセージで全体構成をまず作ってから、詳細な記述に入るとやりやすいと思います。パワポで資料を作る場合、まずはそのスライドで言いたい事を一つだけ書いたものをつなげて行って最後まで並べて見ます。そうすると全体として言いたい事がうまく説明できるのか、確認できます。そこでストーリーをまず決めてから資料化に入ると、手戻りが少なく作成時間を短縮できます。
その後は、解決策を決定して実行するのみです。
上記の作業は人によっては頭の中で、しかもすごいスピードで回転させて、魔法を使うかのごとく解決策まで行き着く事ができるかも知れません。しかし、一般的にはノートなどに書きながら、頭と手を同時に動かして作業すると、自分の頭も整理されやすくなるようです。