目標達成hack

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アスリートの心の整え方

一流のアスリートは、心を整え、集中力を高めるために、あえてゆっくりと行動することを普段から意識しています。また、生活の中にゆっくりと動く時間を作ることは、心を良いコンディションに保つことに役立ちます。その他、心を整えるために共通して見られることがいくつかあります。それはスポーツや勝負事に限ったことではありません。広く一般にも適用できるものが多くあります。一流のアスリートに共通する心を整えるコツを8つ挙げてみました。


①呼吸を整える

スポーツでは選手が大声を出したり、監督やコーチが「声を出せ」と指導する場面がよくありますよね。声を出すことの効果は気合いを入れるためだけではないのです。大声を出すことによって、副交感神経を活性化させ、高まった緊張を落ち着かせることができるのです。

また、大声ではなく、深呼吸を行う選手もいますよね。大声を出すことと、ゆっくりと息をすることは、どちらも心を落ち着かせ、副交感神経を優位にし、リラックスした状態を作り出してくれます。

脳の中で感情を作り出している部分と呼吸を司っている部分は同じであることが確認されています。つまり、呼吸を整えることは感情を整えることになる、ということです。

感情には大きく分けて、ポジティブになものと、ネガティブなものがあります。嬉しい、楽しいというのはポジティブ。不安や恐怖はネガティブです。ネガティブな感情を抱いた時は呼吸のリズムは早まり、ポジティブな感情の場合、呼吸はとてもゆったりしたものになります。大声を出したり深呼吸をすることは、呼吸の面からポジティブな感情を抱いている時と同じ状態を作り出し、感情をポジティブに変えていく効果があるのです。


②朝の散歩

アスリートの合宿などでは、朝の散歩のシーンが報道されたりすることもありますから、選手だけでなく、監督やコーチ、スタッフも、朝の散歩を、行なっていることはご存知の方も多いかもしれません。この朝の散歩こそ、集中力を高めるための「心の準備体操」となっています。

早朝にゆったりと散歩をすることは、呼吸を整え、副交感神経を活性化させます。さらに、有酸素運動が副交感神経の活性化を加速させるとこになるのです。散歩をすることで呼吸を整えるとともに、頭の中を整理し、脳内ホルモンを分泌させることで、集中力を発揮するための準備が整います。朝の散歩は脳の活動にとって、とても良い習慣なのです。


③五分前行動

小学生の頃から「五分前行動」は何度となく言われていますよね。それは、社会人になっても同じだと思います。アスリートは、この五分前行動をかなり意識しています。それは、単に時間に間に合う、間に合わないの話ではなく、心に余裕を持つことが狙いです。いつも心に余裕を持つことが、心の安定につながり、心の安定は呼吸の安定につながり、副交感神経優位の状態を作り出すことにつながります。


④評価基準は自分に置く

金メダルをとっても悔しそうにしている選手がいます。「自分にはまだまだやることがある」というようなコメントをする選手もいます。一方、銅メダルでもとても嬉しそうにしている選手がいます。側から見ているだけでは、この違いの意味がわからないかもしれません。一番大きなポイントは、一流のアスリートは評価の軸は自分にある、ということなのです。自分が満足したかどうか、納得したかどうか、で評価をしています。決して結果だけを見ているわけではないのです。例えば、銅メダルをとった選手は、準決勝で一度は敗れ、気持ちを立て直して3位決定戦に臨み、そこで勝つことができたからこそ、銅メダルを獲得することができたわけですが、「一度は敗れたものの、よく気持ちを立て直すことができた」という点を評価して、そこに自分の成長を感じることができた選手は、銅メダルがとても嬉しい、価値がある、という気持ちになるのでしょう。金メダルをとっても、自分の思うようなパフォーマンスが出せず、どこがダメだったかを反省して、次はここを改善しよう、と考えている人は、「まだやるべきことがある」というコメントが出ることになるのでしょう。

いずれも、評価の基準は結果ではなく自分の中にある、ということがわかりますね。

自分を見つめ、目標を定めて努力し、その目標にどこまで近づけているのか、あるいは超えたのか、を評価する。その結果をまた、次の目標につなげていく。そうやって成長を実感していくものなのですね。


⑤コントロールできることに集中する

アスリートといえど、試合前にアクシデントに見舞われることはあります。

試合を欠場するかどうかを左右するような大きなものもあります。しかし、どのような状況に置かれようとも、試合に出るとなれば、その状態の中でベストを尽くそうとします。決してアクシデントを言い訳にはしません。言い訳を言うくらいなら欠場するでしょう。そのような強いメンタルを作ることができるのはどうしてなのでしょうか。それは、自分でコントロールできることとできないことを見極めていて、コントロールできることに意識を集中させているからだと考えられています。コントロールできないことをいくら考えても出来るようにはなりません。それは、その時の与件として受け入れるしかないのです。その上で、できることは何かを考えます。これはスポーツに限ったことではなく、また勝負事に限ったことでもありません。何かを成す時には、自分にできることに集中してベストを尽くす。いつも心に留めておきたい考え方です。


⑥心のゆとりが感謝の心を生む

アスリートがメダルを取った後のインタビューなどで、監督、コーチ、スタッフなどへの感謝の言葉を言うことがありますよね。これは、インタビューの場だからパフォーマンスとしてコメントしているものではないことは、本人を支える人たちは皆知っています。

周りの人たちに感謝の言葉を口にできる選手は精神的に、とても安定しています。それを口にするだけの快ゆとりがあります。そのゆとりはどこからきているのかというと、それまでの準備が満足いくものだったかどうかにかかっていると言っても過言ではないでしょう。つまり、日々の準備が自信を生み、その自信がここよろゆとりを生んでいる、と言えるのではないでしょうか。


⑦心が休まる場所を持つ

オリンピックの選手村では、宿舎も個室ではない場合などがあり、なかなか1人になって自分の心と向き合う時間が作れないことも多いようです。そのような時に選手はどうするのでしょうか。帯同しているドクターやトレーナーに愚痴をこぼすことがあるそうです。アスリートは1人ではどうしようもできないことをよく理解していて、自分の気持ちが楽になるところや、気持ちを切り替えることができる場所を持っています。心の避難場所を持つことが、心のゆとりにつながります。これを一般人に置き換えてみると、心の避難場所として、コーヒーショップや映画館、公園、行きつけのバーなど、人により様々だとは思いますが、何かしら心が休まる場所があるのではないでしょうか。それを意識してうまく使うことで、心のゆとりを生むことができるようになりますよ。


⑧身の回りを整える

一流選手のロッカーはとても整理整頓されています。ロッカーだけではありません。汗をかいた後はシャワーを浴び体も清潔に保っています。1日のスケジュールも決まっている通りに過ごします。できる限り早寝早起きを心がけます。

体調を整えることに気を使うのはもちろんなのですが、身の回りを整理整頓することによって、心を落ち着かせ副交感神経優位な状態を作りやすくすることに、とても気を使っています。身の回りの整理整頓が目的なのではなく、心と体を整えることが本当の目的なのですね。

 

一流と言われるアスリートは、試合や練習だけでなく、生活の隅々まで気を使っています。それが一流を支えているのですね。少しでも見習えるものは見習うべきです。それが生活の質を変えることにつながっていきます。