目標達成hack

目標達成に効果のあるモチベーションアップのコツ、頑張るための技術なんかを公開します

感情と理性の関係

オレオレ詐欺なんて、どうして引っかかる人がいるのだろうか、と実際に被害に遭う前は皆考えているかもしれませんが、その被害は後を絶ちません。迷惑メールをついつい開けてしまい、知らない間に個人情報が持ち出されていた、という話もよく聞きますね。実際は被害に遭っていることさえも、気づいていない人がたくさんいるのではないかと思われます。

通常では考えられないような行動を、時として人は取ることがあります。どうしてそうなってしまうのでしょうか。

それは、感情に突き動かされているからだと言われています。

 

感情は理性を超える

今の気分を聞く簡単な実験が行われました。晴れた日と雨の日に「幸せですか」と聞いたところ、晴れた日の方が幸せだと答える人が多いことがわかりました。次に、「幸せですか」と聞く前に、「今日の天気は?」と聞いてから「幸せですか」と聞くと幸せだと答える率は、晴れの日と雨の日で違いはあまり無くなるそうです。このことから分かるのは、意識しないうちに天気が幸せと感じるかどうかに影響を与えていることがわかります。そしてそれは意識しないうちに自分の考えだと思い込むようになっていた、ということです。最初に天気のことを聞かれると、天気による気分の浮き沈みと幸せかどうかが冷静に区別できるようになるので、答えに大きな差がなくなった、ということだと理解されています。


寄付金に見る感情の傾向

大きな災害が発生した時に、被災者、被災地への寄付金が集まりますが、寄付金の額と被害の大きさとの相関はどうなっているのでしょうか。

統計的には、被災者や患者の人数が少ないほど寄付金は多くなる、という結果が出ています。

これは、色々な見方ができるとは思いますが、問題が把握できる規模かどうか、が大きく関わっていると言われています。問題があまりに大きくなってしまうと、「自分に一体何ができるのか」と思ってしまうと言われています。つまり、どのくらい自分の問題として考えられるかに依存する、ということですね。だから問題が大きくなればなるほど人々の関心は薄れてしまう、ということになってしまうようです。


感情に訴える

上記のような性質を使って、感情に訴えるキャンペーンは様々行われてきている。何かの寄付を募る時に、有名人を効果的に使う、というのもその1つです。有名人がチャリティーに参加するのは何のためなのか。1つの理由は多くの人に自分ごとだと認識してもらうためです。有名人は、その人をよく知っている人にとっては友人のような存在です。あるいは自分の家族のように感じている人もいるかもしれません。だからこそそのチャリティーは自分ごととして捉えられるようになるのです。

最初の命題に戻ります。どうしてオレオレ詐欺に引っかかってしまうのか。それが自分の家族の問題だと認識された瞬間、理性よりも感情が優位になってしまうからです。それを詐欺を働こうとする人たちはよく理解しているのです。


感情をコントロールするために

何かの目標達成に向けては感情を高ぶらせ、モチベーションを上げることはとてもプラスになります。しかし本来冷静に考えるべき事柄に対して、冷静さを失わせる可能性もあるのも感情の特徴です。感情をコントロールすることはとても難しく、なかなかできないことなのです。でも、このような感情の特性を知ることで、うまく使うことができるかもしれません。特に自分のモチベーションを上げるためには、どのような環境が自分に良い影響を及ぼすのか、どのような映像を見るときに気分が盛り上がるのか、この本を読むとやる気が上がる、などのようなことを知っておくととても頼りになります。全てをコントロールすることは難しいことですが、できることを少しづつ自分の引き出しとして持っておくことはできるのではないでしょうか。